COLORS【金】怪盗バレン─女神の微笑み─
中は意外に広い空間が広がっていた。
そうだな、三十畳くらいはあるだろうか。
金貨がざっくざっく……という期待は一瞬で虚しく散ったのだった。
辺りには何もなく、薄暗い闇が続くばかり。
ただ何かを示すようにあの金貨が点々と置かれている。
プルル……
「お兄ちゃん!聞こえる?」
俺の持ってきた携帯端末から千夜の声が聞こえた。
「そっちは大丈夫か?」
「もう限界だよ〜一応みんなこの囮をお兄ちゃんだと思って追いかけてくれているけど……捕まるのも時間の問題かも」
「分かった、俺も今からそっちへ戻るからもう少しだけ耐えてくれ」
「了解!で、そっちはお宝は見つけたの?」
「いいや、あったのは数枚の金貨だけ──」
「……そう」
千夜の落胆する様子が声から伺えた。
そりゃ無理もないよな、あれだけいろいろ準備して、何もないなんて……
何を見つけたい。そんな思いをこの金貨を知っているのだろうか──。
俺は誘導されるように、気がつくと金貨の示す方へ歩いていた。
「あっ!!これは!」
最後の一枚は奥の壁の前にひっそりと置かれていた。
そうだな、三十畳くらいはあるだろうか。
金貨がざっくざっく……という期待は一瞬で虚しく散ったのだった。
辺りには何もなく、薄暗い闇が続くばかり。
ただ何かを示すようにあの金貨が点々と置かれている。
プルル……
「お兄ちゃん!聞こえる?」
俺の持ってきた携帯端末から千夜の声が聞こえた。
「そっちは大丈夫か?」
「もう限界だよ〜一応みんなこの囮をお兄ちゃんだと思って追いかけてくれているけど……捕まるのも時間の問題かも」
「分かった、俺も今からそっちへ戻るからもう少しだけ耐えてくれ」
「了解!で、そっちはお宝は見つけたの?」
「いいや、あったのは数枚の金貨だけ──」
「……そう」
千夜の落胆する様子が声から伺えた。
そりゃ無理もないよな、あれだけいろいろ準備して、何もないなんて……
何を見つけたい。そんな思いをこの金貨を知っているのだろうか──。
俺は誘導されるように、気がつくと金貨の示す方へ歩いていた。
「あっ!!これは!」
最後の一枚は奥の壁の前にひっそりと置かれていた。