ツギハギ
それから暫くして翠が目覚めれば、ソファーに横たわり
目の前には学がいた


「…翠、大丈夫か?」


「う…ん。」


翠が返事を返せば
安心したように学が笑った。

「心配で帰ってきたけどなんでもないみたいで良かった」

そう言い、背広を脱ぎハンガーにかけるため
隣の部屋に入って行く。

翠はゆっくりと身体を起こしてテーブルを見た。

その上には携帯。

ランプが着信を知らせるように点滅している

携帯を手に取り
開けば
メール1件

翠はメールフォルダーを開いた。


data:4/16 21:03
From:mi*******@
件名:




オネガイカエシテ









ミドリ





翠は―

いや、翠の姿をした女は
そのメールを見て笑う。


「翠、なんか飯ある?
うん?何携帯みて笑ってんだ」

スエットに着替えた学が隣の部屋から出てくる。


「なんでもない。
それよりご飯作るね」


女はメールを削除して
学に微笑む。


そしてキッチンに入り
その携帯をごみ箱に棄てると



「カエシテくれてありがとう」



そう呟いた。




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