憂鬱姫と俺様王子

そうだ、俺からも聞かなきゃならないことがあったんだった。
「朝からひかる、香山連れて何、話してたんだ?」
「そんなにみみちゃんのこと、気になるんだ。へへっ。」
マジ、今のコイツの顔むかつく。
「だから、何話してたんだよ。」
「怒んないでよ、空斗。でも、昨日の約束忘れたの?」
うん?昨日の約束?
あぁ~~~!!!!!
香山が俺のこと、どう思ってるかってヤツだ。
「思い出したぁ?その答え、聞きたいと思わない?」
聞きたいに決まってる。
けど、ひかるがこんな顔をするときは、絶対に何か企んでいる。
「聞きたいなら、条件があるよ・・・」
ほら、やっぱりそうきたか。
そして、2枚の紙を俺の前で振って見せた。
「最近できた遊園地の無料券が、ここに2枚ある。だから、この券でみみちゃんと二人で行ってきなよ。そのデートが成功したら、教えてあげる。」
ひかるはニッコリ笑顔で、その2枚の券を俺に差し出す。
呆気にとられた。
普段のひかるだったら、もっとひどいことを命令するはずなのだが・・・
今回は案外ラッキー。

絶対に成功させてみせるっ!!
と心に誓う、俺だった。
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