treasure(宝物)





先に連絡してあったから、お父さんはリビングで座っていた。




「お父さん、連れてきたよ」




お父さんと達也が会うのは初めて。
お父さんの顔が曇ってきた。




達也と私はお父さんの向かいに座った。




「お父さん!お嬢さんを下さい。絶対守って見せます」



達也が言った。でもお父さんは黙ったまま。




「お父さんお願い!オッケイしてくれるよね?」




「やっぱり…」




やっぱり?




「やっぱり認めん!!」





「お父さん…」


さっきは連れて来いって優しく言ってくれたのに、今は認めないって言われた。


どうして…




でもお父さんの顔を見ると笑っていた。







< 105 / 136 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop