treasure(宝物)
「ちょっと、慶人?って言う子の部屋に行ってくるね」
「うん。じゃあ、俺は瞳のそばにいるから」
「うん!じゃあね」
目が覚めて誰もいなかったら、また瞳は泣き出す。だから康平は瞳のそばにいる事になった。
私は慶人の事を知るために、部屋を訪ねた。
コンコンっ!!
「ちょっと入るよ」
そう言いながらドアを開けると慶人は机の椅子に座っていた。
「何ですか?」
慶人は小学六年生の12歳。
だから敬語を使うのだろうけど、敬語がなっとくいかない。
「私、君より年上だけど敬語じゃなくていいよ。家族みたいなもんなんだから」