treasure(宝物)
すれ違い
お母さんとお父さんの表情がいつもと違う。リビングのテーブルに座らされた。
「なに?なんかあったの?」
お母さんの肩が小さく震えているように見えた。
お父さんがゆっくり口を開く。
「夏葉…落ち着いて聞いてくれ!」
「だからなに?」
お母さんを見ても目を合わせてくれない。
「夏葉は……お父さんたちの子供じゃないんだ」
「っ!!」
声も出なかった。
私がお父さんとお母さんの子供じゃない?じゃあ誰の子供なの?
意味わかんない。
今さら、そんな事言われても…。
「夏葉ももう立派な大人だ。だからちゃんと事実を教えたんだ。ごめんな…」
「ごめん…?意味わかんない。なんで謝ってんの?今さらそんな事言われて私はどうすればいいの!!!…」