treasure(宝物)
入ってきたのは裕子姉ちゃん。
「はい…」
机の中に閉まって広間に向かった。
リビングに入るともうみんな座っていた。
私が座るとみんなが口を揃えて言った。
「「いただきま~す」」
みんなの後に私も呟いた。
「いただ…きます」
パクパク食べるみんなの笑顔が眩しかった。
私もこんな笑顔でいれたらな。
家族三人でご飯食べてた時、私はちゃんと笑えてたのかな。
今まであった風景や存在が愛おしく思えた。決して対したことではない。
みんなで笑ってみんなでご飯食べて、みんなで遊んで。
全部が当たり前だった。
だからこそ失ってからきずく。