treasure(宝物)



「じゃあ私はこれからどうすればいいの?」



「…」


「なに黙ってんの?ちゃんと答えて!!」


「夏葉には…施設に行ってもらう」


「施設?!!」




どうして私が…。



自分でもどう受け止めていいのかわからなかった。
謝るお父さんに何故か腹が立った。

怒っているはずの私の瞳からは涙が流れ落ちた。

「もう意味わかんない。
今さらそんな事言われたって…
どうすればいいの?


お母さんとお父さんは勝手すぎるよ。
私の幸せを願って出た答えがそれなの?

それとも私は本当の子供じゃないから傷つけてもいいと思った?!!」


そう言う私のほっぺをお母さんが思いっきり打った。


私は睨みつけて言った。

「本当最低。
もういいよ!!!」


私は家を飛び出した。
どこに行くわけでもなく、ただ2人のそばに居たくなかった。




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