treasure(宝物)
「見えたい~だゃっこ」
瞳はまだ小さいからクローゼットの中が見えない。だから瞳を抱き上げた。
「名前は空(そら)にしよう綺麗な空の下にいたから」
牛乳を飲む空の姿が可愛くて仕方がなかった。その時!!!!
コンコン!!
部屋のドアを誰かがノックして入ってきた。私はとっさに瞳をおろして自分の後ろに犬を隠した。
「そんな慌てた顔してなんかあった?」
中に入ってきたのは、亜美姉ちゃんだった。
「べ、別に慌ててな、なんかないよ!!」
「じゃあ後ろに隠してるのはなに?」
「何も隠してないよ…!」
亜美姉ちゃんが私の後ろを覗こうとしたとき、犬が暴れて部屋を歩き始めてしまった。