treasure(宝物)





朝目が覚めてクローゼットを開けると中に子犬はいなかった。



「空?空?」



施設の中を探した。
風呂、トイレ、みんなの部屋、ホール。



そこに子犬はいなかった。



「そうだ!リビング」




ヤバい、もしリビングだとすれば裕子姉ちゃんにバレる!!



急いでリビングに向かった。



「空?!」


テーブルの下に隠れていた。


リビングに裕子姉ちゃんはいない。



「良かった…早く行こう」



犬を抱き上げて部屋に戻ろうとしたとき、誰かに肩を叩かれた。
ゆっくり振り返ると…




「裕子姉ちゃん…」



後ろにいたのは裕子姉ちゃんだった。



「その犬飼えないって言ったよね!?どうして家にいるの?返しておいで」



「でも…」




「いいから!返してきなさい!!」







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