treasure(宝物)
「あんたが人の気持ちなんてわからないって言ったように、あんたにも私の気持ちなんてわかんない!!!!!」
亜美はそれだけ言うと私たちに背を向け早歩きで帰って行った。
「あいつの前で親父さんが捕まるのこれが一回目じゃないんだ…」
亜美の背中を見つめながら、康平が呟いた。
亜美に起きた出来事は私にはわからない。自分の親が目の前で捕まった事なんてないから。
でももしって考えると亜美の気持ちがなんとなくわかる。
康平や愛理の気持ちも。