treasure(宝物)
亜美は父親の事を忘れたがるように、目を真っ赤にさせながらいつも以上に遊んだ。
鬼は亜美から幸に。
幸から康平に。康平から私に。
ホールにはみんなの笑い声が響いていた。
「あ~疲れた…」
気がつけば一時間が経っていた。
「私ギブ…」
「俺も…」
私と康平は汗だくで今にも倒れそうな状態だった。
それに比べてみんなは始まる前と変わらない元気がまだあまっている。
「すごいな。あいつら…」
康平が寝転びながら呟いた。
「確かにすごいね。」
そうだ。康平にお礼言わないと。
仲直りできたのは康平のおかげみたいなもんだもん。
「康平くん、ありがとう。仲直りできたのは康平くんのおかげだよ」