treasure(宝物)
でもこのままじゃ寝られない。
きっと後悔すると思う。
「どうしたの?どこか痛い?」
起きても、寝ても俺の心配をしてくれている。
「大丈夫」
「どうしたの?なんかあった?」
俯く俺の顔を覗き込んだ。
「夏葉…」
「?」
眠そうな目で俺を見つめる。
そっと夏葉を抱きしめた。
「ちょっと?!苦しいよ…どうしたのってば」
「俺、夏葉が好き」
夏葉の耳もとで呟いた。
「…」
夏葉は何も言わず、俺から離れた。
「ごめん、いきなり」
夏葉は顔を横に振った。