海宝堂２〜魔女の館〜

しまった…ニーナが顔を覆う。詳しい説明は火に油だった。
このまま、奴らを退治に行くなんて言われたら海賊より始末が悪い。

「そりゃ、取り締まりもされてるわよ！でも、海は広いんだからすぐに捕まえに来れるわけ無いし、結構な使い手がそろってることもあるからやっかいなのよ！
だからって、私たちで捕まえようなんて言わないでよね！
私たちの今の目的は２人の記憶の奪還でしょ？なのに、海賊に構ってなんかいられないわよ。」

ニーナの言葉に少し気まずい顔をしてからシーファは頷いた。
大事なのはガルとリュートの記憶。
２人の記憶とあの海賊に関係が無い限りは、余計な争いは確実な遠回りになる。
そう思って海賊船の方に視線を向けると、見覚えのある３人組の姿がそこにあった。

「！！あいつらっ！」

シーファの表情が変わったのを見て、ニーナが同じ様に顔を覗かせる。