海宝堂2〜魔女の館〜
「はぁ~また、派手にやってくれたもんだな。」

ダートンがその場にあぐらをかいて座り、甲板をぐるりと見まわす。
船員の顔には殴られた跡、甲板は荒れ放題、一箇所穴まで開いている。
シーファも一緒になって辺りを見まわし、怒りに任せて暴れまわった自分の失態が見て取れる。

「あ…スミマセン。」

「って!謝るくらいなら、最初っからやるなっ!」

ニーナに言われて、ますますしゅんとすると、ダートンが急に笑い声を上げる。その目に涙を浮かべて、腹を抱えて大笑いをしている。

「はっはっはっは!あ~…面白い奴らだな!おまえら。」

その笑い声に2人は唖然とするが、シーファがはっとしてブンブン頭を振る。

「笑いごとじゃないっ!こんなことになったのだって、元々あなた達のせいでしょ?」

「俺たちの?なんで?」

目に溜まった涙を拭いながら、まだ笑いが収まらない様子でシーファに聞き返す。そのフレンドリーな態度と言い方に、真剣なシーファの神経は逆撫でされ、眉間に皺が寄る。
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