海宝堂2〜魔女の館〜
「あなた達が…いいえ、あなたが!そこの3人組を私たちにけしかけて、今度もまた変な女を使って仲間の記憶を奪っていったじゃないっ!」

「変な女ね…
トードも言ったようだが、うちの船に女はいない。」

「嘘よっ!いいから、出しなさいっ!」

「いないものは出せないな。

…やれやれ、トイス王国の王女様がこんなに武闘派だったとはな。新事実だな、シルフェリア王女。」

頭に昇った血が一気に下がる。冷水を浴びせられたような顔をしてダートンを見た。さっきまでとは違う真剣な目。口端に笑みを浮かべてはいるが、目は獲物を狙う動物のようだ。

ふざけているようでも海賊団の船長だ。実力が伴わなければ出来るものではない。
そういえば、シーファの拳を簡単にしかも確実に叩き、軌道をずらすなんて芸当は実力者の証だ。
無くなっていた緊張感が戻ってくる。ニーナは意を決し、言葉を紡いだ。
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