海宝堂2〜魔女の館〜
「丁重って、あれが?かなり力づくだったけど?」

「まあ、俺達は海賊だから。」

全く悪びれていない様子に逆に怒るのもバカらしくなる。溜息をついてニーナが質問を続ける。

「でも、それならますますわからないわ。そこまで知っていながら何故シーファを?」

「隠れたお宝には目がないんでね。」

自分がお宝と称されたのだと気づくのに数秒の時間が必要だった。
じっとダートンに見つめられ、それに気づくと顔が赤くなった。

「お、お宝って…海賊は商船や港町を襲って略奪をするんじゃ…?」

慌てて質問を投げつける。
ダートンは、そりゃ偏見だ。と、笑う。

「まあ、そういう海賊もいるっちゃあいるし、俺たちだって気にくわねえ船には容赦なく攻撃を加える。
だが、旅を続けるのは海には財宝がたんまりと眠っているからだ。それを手に入れてぇと思うのは自然だろ?」

ニヤリと嬉しそうに話すダートンの顔によく知ってる少年の顔が重なる。今、その少年は後ろのほうで男達に囲まれ小さくなっているが…
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