海宝堂２〜魔女の館〜

完璧な答え。嘘じゃないし、自分達のような若者が抱きやすい動機だ。語り口も全く躊躇がなく、ダートンはすっかり信じたようだ。
ニーナがほっと胸を撫で下ろす。

「じゃあ、その腕っぷしは？王女様にしては強すぎないか？」

「国を捨てるような王女だったのだから、普通の王女でないのは当然でしょう？
もういいかしら？そろそろ女の手がかりを探しに行かないと…」

「最後の質問だ。
あんたの愛する男というのは、あの２人のどっちだ？」

あの２人と言うのはリュートかガルかということで…きょとんとしている２人を見てシーファは真っ赤になって首を振る。

「あれはっ！父が、国の恥を世間に公表しないようについた嘘よっ！愛する人なんて…」


「じゃあ、あんたはまだ誰とも結婚もしていないし、恋人もいない。だな？」