海宝堂2〜魔女の館〜
シーファの反応は今までとは全く違うものへと変わっていた。洞窟の奥をじっと見つめ、凛と背筋を伸ばしている。さっきまでのうぶな女の子はどこかにいってしまっていた。

「ま、そういう姿も、そそられるってもんだ。」

小声で呟くと、持ってきたたいまつに火を灯す。

「よし、行くか。」

ダートンを先頭に洞窟に入っていく、が、リュートが洞窟の一歩手前から動こうとしない。

「おい、行くぞ。…怖いのか?だったら俺が…」

バンズがニヤリと笑って、リュートの手を掴もうとするのをニーナが止め、睨みつける。

「今の状況、わかってる?ふざけて、からかってるんだったら、止めて。うんざりだわ。」

「心から本気だが?」

今後のことを思い言った言葉に、真剣な表情でそう返される。
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