海宝堂2〜魔女の館〜
うっとりと2つの宝石を掲げて見入る、その大きな隙をバンズは逃すことなく付き、一気にマティリと距離を詰める。

「!!っ」

同時にマティリを守るようにガルが飛びだし、バンズの腹を蹴りとばす。後ろに飛ばされながらも、マティリの左手を弾き、一つの宝石が宙を舞う。
着地と同時にもう1度、今度は宝石に向かって跳び、バンズは黄色の宝石をその手に掴んだ。

「やった!」

「これで、あの子の記憶は元通りだな。どうすりゃいいんだ?」

「それを割るの!そうすれば記憶が戻るから!」

シーファに言われて、下に叩きつけると、黄色の宝石は割れ、中から出た煙は出口に向かって流れて行った。

「アレで…いいのか?」

シーファは嬉しそうに頷いた。
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