海宝堂2〜魔女の館〜
「罪の無い人に手を出してはなりませんっ。」

シーファの言葉に、やれやれ、と2人は両手をあげる。

「ふんっ…その偽善ぶり、変わらないわ…
弱い者を助けるために、仲間を見捨てるの?大したお姫様ね、でも、そんな余裕はないはずよ?」

村人達がじりじりと、3人に迫ってくる。

「おいおい、どうすんだよ…このままだと、やられちまうぜ?」

「…バンズさん、肩、貸してもらっていいですか?」

「は?肩…?
まあ、好きにしな。」

シーファはにっこりと笑うと、バンズの肩に跳び乗り、その高さを利用して、村人達を一気に跳び越した。

「何っ!?」

マティリの目の前に降りたと同時に、蹴りを振り上げる。
米神めがけて放った蹴りは、マティリに届くことは無かった。
その直前で、ガルが足を掴み、止めていた。
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