海宝堂2〜魔女の館〜
「近づかないでっ!」

シーファの声にぴたりとその足を止める。それと同時に、腹に拳が打ちこまれる。

「シーファ!このヤロ…止めろぉぉっ!」

「ダートンっっ!!」

またも止められて、悔しさに顔が歪む。咳込むシーファの声が聞こえる。

「…これは…私たちの問題…だから…けほっ…見てられないなら…帰って…っ。」

ダートンはバンズの所まで戻り、腕を組むと、シーファを見つめた。

「最後まで見ててやる。邪魔はしねぇ。」

「ありがと…がっ!!」

さっきとは反対の頬を殴られ、ガルの腕から離れて飛んでいく。
ダートンの歯がギリっと音を立てるのをバンズは聞いた。

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