海宝堂２〜魔女の館〜
戻る途中、そっとガルの顔を見上げると、目が遠くを見ていて、急に胸が苦しくなった。
きっと、この傷を見て、罪悪感を感じているんだ…。
気にしないで、と言っても、無理な話しだ。
自分のとった行動は、間違いだったのだろうか？後悔が押し寄せて、不安になって…行き場が無く、お腹の上で重ねていた手でこっそりガルの服を掴んだ。

「なぁ、ニーナ。ガルの奴変じゃねぇ？」

「そうね。」

後ろで一言も話さないガルを見ながらリュートが言う。ニーナは溜息交じりでそれに答えた。
まさか…というリュートにそれはない。ときっぱり言い放つ。

「シーファ殴ったこと、気にしてんのよ。」

「んなもん、謝りゃいいだろ？大体操られてたんだしよ～」

リュートの言葉にニーナは手を取って、目をウルウルさせる。

「…あんたがボロボロだったの、弾火で撃ったからなの。ごめんね？」

「なっ！ニーナ、てめぇっ！」

「あんたが操られてたから、仕方なかったのよ。謝ったじゃない。」

納得出来ないという顔で膨れるリュートをあしらって、ガルの横顔に小さく、バカね…と呟いた。
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