海宝堂2〜魔女の館〜
ドアの向こうにはもう一回り狭い部屋になっており、薄暗くて、部屋の隅には、朽ちてその役割を果たしていないベッドの成れの果てがあった。
ドアに溜まっていた埃の比ではないほどの埃が床に溜まり、かび臭い匂いが部屋中に充満していた。
この有様では流石のリュートも足を踏みいれたくないようだ。

「階段がある…」

シーファがそう呟くと、部屋の中に進み、ドアからまっすぐ行った所に、下へと降りる階段を見つける。
シーファがその階段を降り始めたので、3人も慌てて後を追うと、一面の青が飛びこんできた。

「ちょっと、これって…海の中?」

白い海底にゆらゆらと揺れて歪む景色。
それ以外には魚はもちろん、海草の一本だって生えていない。
ここは生態系が全くない死の海そのものだった。
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