海宝堂2〜魔女の館〜
話しながら最初の部屋に戻る。
そういえば、ニーナはずっと疑問に思っていたことがある。

なぜ、シーファは記憶を奪われなかったのか?

今なら、結界が出来た理由も含めて、その理由がわかるかもしれない。
部屋に戻り、さっきのように机を囲んで、ニーナは口を開いた。

「ねぇ、私たちが記憶を取られた時、何故、シーファの記憶は狙われなかったのかしら?」

ニーナの言葉にシーファは驚いたように視線を向けた。

「そうだな。記憶の結晶が目的なら、全員を狙うはずだな。」

「あの時、私は変な夢と笛の音を聞いて目が覚めて…眠っている相手からしか取ることが出来ないんじゃ…?」

「それなら、さっさと逃げて機を改めればいいものを、うろたえるシーファを見て、楽しんでる感じがしたのは私だけ?」
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