海宝堂2〜魔女の館〜
「よっしゃ、上陸!」

どこの島に行っても、一番に船を降りるのはリュートだ。
そうじゃないとリュートが怒るからという理由が一番なのだが、何かあってもリュートなら、平気だろう……………と、流石に可哀想になってくる理由も含まれていたりする。
形はどうあれ、信頼の証なのだ。

「さて、日も暮れちゃったし、情報収集は明日にして、今日は宿でも探す?」

「賛成!俺、腹が減ったぁ~」

「じゃ、食堂のある宿を探さないとね。」

港から離れた場所に見える街へと足を向ける。

ミチモラ島のあるこの海域は、暖かく、台風が発生しやすい気候だ。
そのため、街は高波などの被害から逃れるために港の近くには作られておらず、島の建物はみな、石やレンガなど頑丈な素材が使われ、どれも低く造られている。
どれもと言っても、島の中心部には所々、2階建てや3階建てが見られ、そこは島にとっての重要な場所なのだとわかる。そこを中心に、扇上に街が広がっていた。
扇の一番外にはみっちりと1階建ての民家や商店が軒を並べていた。
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