海宝堂2〜魔女の館〜
憎い、憎くてたまらない。
気が遠くなるほどの年月を超え、やっと復讐の時がやってきたというのに、それが果たされることは無く、今、また、屈辱と敗北感を味あわされている。

あの偽善に満ちた言葉…あの女はまさに王家の者の物言いだ。

―――忘れるものか。あの時、その偽善によって私が舐めた苦汁の味を!―――

女は震える体を小さく抱きかかえ、瞳を閉じると、闇の中に浮かんでくるのは数々の言葉。
耳を貫き、心を打ち砕いた言葉の数々…。

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