海宝堂2〜魔女の館〜
「その最中よ、女が突然船首に現れたんだ。そりゃ、綺麗な女だからよ~最初は俺達も目を見張ったが、船長の目はごまかせねぇ!
笛を出して、口に持っていく前に、あっさりお縄よ。」

まるで自分の武勇伝を話すかのような嬉々とした表情のトード。
その後、マティリはメインマストに縛りつけられ、ダートンとバンズは万が一の事を考え船に残り、面識のあるトードがシーファ達への伝令に任命されたらしい。

「なんだ、バカな奴だな!」

リュートはそう言うが、ニーナはしっくりきていなかった。
姿を見せて記憶を奪おうとするなんて、そんなミス、マティリがするだろうか?
ガルとシーファに視線を向けると、2人も同じ事を思っていたようで、小さくうなづいていた。

「とにかく急ぐぞ!」
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