海宝堂2〜魔女の館〜
見つけたぞ、と言われても、こんな男達に見覚えは全くない。
しかし、眉をしかめる4人を置いて、男達は一歩、また一歩とこちらに歩いてくる。

「おい、誰かの知りあいか?」

「私は見たこと無い。」
「私も。」
「似たような奴さえ知らん。」

得たいの知れない人物に急に背中を見せて逃走するのは危険なので、とりあえず、奴等から目を離さないようにしながら、4人は全く記憶にない人物であることを確認しあう。
そして、先遣隊、リュートが一歩前に出る。

「ちょっと待てよ!俺たちはお前等のこと知らねぇし、誰かと間違えてるんじゃねーの?」

「いーや!間違いねぇ!俺たちが探しているのは、そこの女だ。」

指を指され、シーファは目を丸くした。
次の瞬間、ガルがシーファを背中で隠した。そして、

「逃げるぞ!!」

ガルの言葉を合図に、4人は一斉にきびすを返し走った。
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