海宝堂2〜魔女の館〜
唖然とするダートン達を置き去りに、踊りだしそうな勢いでガルを囲んだ3人は笑い声を上げた。

「良かったわね!ガル!死なずに済んだわよ!」

「…そりゃ、良かった…」

ニーナの言葉にガルは大きく息を吐く。
実際の所、死を覚悟はしたが、怖くて溜まらなかった。
2度とニーナとリュートに…シーファに会えなくなるなんて…悪魔にさえすがりたい気持ちだった。

シーファの泣き笑い顔を見つめると、みるみるうちにシーファの顔が赤くなっていく。

にや~っと、リュートがいやらしい笑いを浮かべたかと思うと、シーファの腕を肘でつつく。

「な、なに?」

「もっと、すれば~?そうすりゃ、完治するんじゃん?」

「――――っ!バカなことを言うんじゃなぁいっ!!」

シーファの平手打ちの放つ、日の沈みかけた海に響き渡る、すがすがしいほど綺麗な音を聞いて、ガルは急に襲ってきた睡魔にその身を委ねた。
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