海宝堂2〜魔女の館〜
「リュート、お前なぁ…」

「へへ~んだ。ホントのことだろー!」

リュートはさっきの仕返しとでも言わんばかりに、舌を出しておどけて見せた。
ガルが拳を振り降ろす直前、

バンっ!

シーファが思いっきりテーブルを叩いた。

「シーファ?…ひいっ。」

ゆっくりと振り向いたシーファの顔を見て、リュートは一瞬にして青ざめた。

「…ご飯は楽しく食べましょうね?」

「は、はいっ!」

どんな顔をしていたのか、ニーナとガルには見えなかったが、リュートが大人しく、というかおびえて食事をしだしたので、きっとものすごく怖かったんだろう。

唖然とガルがシーファを見つめると、ちらりと上げられたシーファのそれとぶつかった。
慌てたように料理に戻したが、その一瞬でシーファの頬が赤いのがわかったので、ガルは満足だった。
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