海宝堂2〜魔女の館〜
扇型に広がった街は、中心部に行くに従って島の斜面に添ったように坂になっている。
子供達は坂をドンドン登り、調度扇の骨を束ねる要の部分に街の要も集中しており、子供達の通う学校もその要の一つだ。

その学校の裏からは、森が広がっている。
青々としげった木々に、獣道ぐらいにしか開けていない道を子供達は躊躇なく進んで行く。なかなか大人の体には険しい道だ。
が、リュートなんかは子供達と一緒になって我先にと獣道を進んで行く。
まだあいつは子供だからね。とニーナが呆れた声で言った。

どれくらい歩いただろうか?一面の緑の景色が急に開けたかと思うと、今度は2色で彩られた風景が待っていた。

「うわ…すごい、ね。」
< 59 / 273 >

この作品をシェア

pagetop