海宝堂2〜魔女の館〜
今、彼らは、南に向かって航海を進めている途中だ。
順調に進んでいたのだが、シーファの耳にとても嫌な音が響いた。
他の3人には、鯨の言葉同様、全く聞こえなかったのだが、シーファがあまりにもその音に反応を示すので、一旦船を止めることにしたのだった。
船を止めたその時、一匹のイルカが顔を出し、一声鳴いて、また戻っていった。
シーファはそれで自分の感覚に確信を持ったのだった。
「シーファ、どう?」
ニーナが今にも鯨に食べられてしまうのでは?と心配するほどの距離で話しているシーファの後ろ姿に話しかけた。
「うん、なんかね、すごく遠くから叫び声がしたんだって。」
「声?」
「そう。でも人間の声というよりは、自分達が使う超音波に似てて、それがすごく怖い感じだった、って。」
「仲間がケンカしてるとか、そういうのじゃないのか?」
「ケンカとか、そういうレベルの怖さじゃ無いみたい…怒りに満ち溢れてる声だった…って…」
シーファは話しながら鯨の向こうに広がる海に視線を走らせた。
ふと、海風が冷たさを増したような気がして、剥き出しの二の腕を手で包み込んだ。
「大丈夫か?」
そんなシーファの様子を見て、ガルがリュートを離して近づく。
「うん、平気。」
「ならいいが…。
さっきのイルカはどこに行ったんだ?」
「あの子はちょっと見てくるって…」
へさきで話しをする2人の後ろ姿を見て、リュートがニヤリと笑った。
順調に進んでいたのだが、シーファの耳にとても嫌な音が響いた。
他の3人には、鯨の言葉同様、全く聞こえなかったのだが、シーファがあまりにもその音に反応を示すので、一旦船を止めることにしたのだった。
船を止めたその時、一匹のイルカが顔を出し、一声鳴いて、また戻っていった。
シーファはそれで自分の感覚に確信を持ったのだった。
「シーファ、どう?」
ニーナが今にも鯨に食べられてしまうのでは?と心配するほどの距離で話しているシーファの後ろ姿に話しかけた。
「うん、なんかね、すごく遠くから叫び声がしたんだって。」
「声?」
「そう。でも人間の声というよりは、自分達が使う超音波に似てて、それがすごく怖い感じだった、って。」
「仲間がケンカしてるとか、そういうのじゃないのか?」
「ケンカとか、そういうレベルの怖さじゃ無いみたい…怒りに満ち溢れてる声だった…って…」
シーファは話しながら鯨の向こうに広がる海に視線を走らせた。
ふと、海風が冷たさを増したような気がして、剥き出しの二の腕を手で包み込んだ。
「大丈夫か?」
そんなシーファの様子を見て、ガルがリュートを離して近づく。
「うん、平気。」
「ならいいが…。
さっきのイルカはどこに行ったんだ?」
「あの子はちょっと見てくるって…」
へさきで話しをする2人の後ろ姿を見て、リュートがニヤリと笑った。