海宝堂2〜魔女の館〜
海から上がってきたシーファの髪は濡れて、よりしなやかさが増しており、とても艶やかで美しく見え、海にいても全く違和感を感じなくて、先日寝る前に聞かされた人魚伝説の思い描いていた人魚とイメージがぴったりとあわさった為、シーファが人魚だ、という結論になった。ということだ。

興奮で息まで荒くなっている子供達の頭を、バインは笑いながらかきまぜた。

「そうか。こんな綺麗なお姉ちゃんはめったにいないからなぁ。間違えるのも無理はねぇ。」

間違い。その言葉に子供達は一斉にバインの顔を見上げた。顔になんで!?と書いてあるかのようだ。

「確かに、このお姉ちゃんは綺麗だが、人魚ってのはもっとこう…ボイーンとあるもんなんだ。」

バインは自分の胸の前からまるでスイカを撫でるかのように両手を動かした。そして、視線はシーファの胸に…。

おい、ちょっと待て。それはあんたの完全な主観だろ?

シーファは真っ赤になって胸を隠す。

「余計なお世話ですっ!!」
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