海宝堂2〜魔女の館〜
「!?…な、何だ?」

考えていることが顔に出てしまっていたかと、ドキリとする。
が、シーファの目は喜びに満ちていた。

「この先に一つの島があって、その島の周りに奇妙な流れで作られた壁があるんだって!」

シーファの言葉に、思わずニーナとリュートも海に落ちんばかりに身を乗り出す。

「ちょっと、それって…」

「あのオババが言ってたやつじゃねぇのか?」

2人の言葉にシーファは激しく首を縦に振った。

「そう!きっとそうよ!ね、ガル!」

さっきの表情から一転、普通の女の子の顔で笑うシーファにガルは笑顔を返す。

「ああ。
だが、詳しい話は船に戻ってからにしないか?」

シーファは改めて自分たちの居る場所を認識して、そうだね。と照れたように笑った。
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