海宝堂2〜魔女の館〜
目を丸くするガルをよそに、霧に包まれた辺りを見回す。

「どうしたんだ?あんた…」

「しっ。」

リュートの言葉を遮って、口の前で人差し指を立てる。
その手を耳の後ろに当て、呼吸をひそめる。



「―――フフフ。―――」


「聞こえたっ!」

霧の向こうに女の笑い声を聞き、声がした方に体を向ける。

「誰なのっ!?姿を見せなさいっ!」

返事はなく、同じ様な笑い声が聞こえのみ。

「3人に一体何をしたの!?何が目的よ!?霧に隠れてないで出てきなさいっ!」

どんなに叫んでも全く返事をしない相手にいつもは温厚なシーファも我慢の限界だ。
目を閉じ、深呼吸をすると、胸の紋章が光を放つ。

「姿を見せないのなら、こっちから暴くだけよっ!」

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