海宝堂2〜魔女の館〜
ニーナは元に戻ったが、あとの2人はそのままで、ずっと甲板にいるわけにもいかないと、船室に入る。

もう1度ニーナが残った2人に質問をする。
同じ島で兄弟のように育ってきたと言うのに、何一つ覚えていないというのはかなり辛いものがある。何を言っても他人事の顔をされてしまうのだ。

さっきまで自分も同じ様な状態で、それをシーファが1人で受けとめていたんだと思うと、胸が痛んだ。

「でも、あんた達も自分の記憶がさっきの女に奪われたって言うのは納得したでしょ?」

ニーナが言うと、2人は無言で頷いた。記憶は無くとも、目の前で起こった事実は事実だ。

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