海宝堂2〜魔女の館〜
「私の記憶が戻ったのはあの赤い玉が割れたおかげでよね?その玉はさっきの女の袋から出てきた。ってことはその女がなんらかの方法で記憶を取りだして、玉の中に入れた。ってことになる。」

ニーナは指を一本ずつ立てると、リュートとガルをそれぞれ指差した。

「で、ここに記憶喪失があと2人いるってことは、玉はあと2つあるってことよ。」

「それを取り返して、割れば、2人の記憶も元に戻るってことね。」

さっきまでの表情とはうって変わって、シーファは決意に満ちた目で2人を見た。

記憶が戻る方法が見つかったことで、前向きになれたのだろう。なんとも頼りがいのある横顔にニーナはほっと胸を撫で降ろした。

何故、シーファの記憶は無事だったのか?
その疑問一つを残して…。
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