海宝堂2〜魔女の館〜
自分達が何故ここにいるのか、ある日突然わからなくなり、最初はパニックになったのだろうが、今はそんな気力もなくなり、日々が過ぎて行くのを待つしかないという結論に至ったようだ。
子供達は相手が誰かもわからずに、それでも無邪気に一緒になって走りまわっていたが、有力な情報は得られない。

困ったわね…とニーナが呟くと、子供達の1人が走ってきて、港の方を指差した。

「港に大きな船がとまってるよ。いつからあるのかは知らないけど。」

そういうと、友達の元に戻って行った。

「大きな船か。」

「もしかしたら、昨日の女が乗ってる船かも。」

「そうね、じゃ、港に向かいましょ。でも見つからないようにそっとね。いいわね、シーファ。」

ニーナに念を押され、シーファは無言で頷いた。
昨夜も紋章を発動させるくらい頭に血が昇っていたし、仲間がこんな状態で突っ走られても困る。
ホントに大丈夫かな?とニーナは不安を感じずにはいられなかった。
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