嘘つき⑤【-sign-】
「いいえ、毎日私が飽きない様に沢山のお話をしてくれますわ」
そう、あの頃のように。
隔絶された世界で、扉を開いてくれた恭平さん。手を差し伸べてくれたのは瑠香さん。
そして、
待っていたのは愁哉さんだった。
「毎日!?恭平ったら本当に図々しい!!いいこと、琴ちゃん、恭平の口車に乗せられて非行の道に走っちゃ嫌よ!?茶髪にピアスにミニスカートなんて麗子叔母様涙が出るわ…きっと琴ちゃん可愛過ぎるもの…」
麗子さんはあたしの追憶とは反対に、見事な滑舌で、シクシクと瞳に手をあてる。
本当に、麗子さんったら。