嘘つき⑤【-sign-】

麗子さんの家を出て、私はぼんやりとした思案の渦に巻き込まれる。


あれは、



いつだったかしら。




そう、まだ、瑠香さんが隣にいた頃。瑠香さんがいなくなるほんの少し前の事。



私の世界は広がって、それでもまだ、瑠香さんの隣にいる愁哉さんを真っ直ぐ見つめられなくて、報われないジレンマに押し潰されそうだった時。




私は、




知ってはいけない事実を知る事になる。


< 19 / 152 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop