嘘つき⑤【-sign-】
――――――――――――――…薄暗い部屋に僅かに漏れる光に誘われる様に、私はその場所に立っていた。
* * *
自宅で開かれたパーティー。
スーツ姿の恰幅の良いおじ様や、ドレスを着こなした綺麗な方達。中には顔見知りの方も何人かいたけれど、私にとってはどうでもいい事だったの。
だって、
毎回の様に、私は座っているだけの置物でしたから。
父様の横には、紹介する事もなく当たり前の様に綺麗な女性が立っていて、
瑠香さんの横には愁哉さん。
私には分からない仕事の話を難なく父様と愁哉さんとしてしまう瑠香さんを、私はやっぱり妬ましくて、その場所を直視する事も出来ず、ただ目を伏せた。