嘘つき⑤【-sign-】

私には、何故この場所にいるのかが分からなくて、仕事の話に変わった三人とは反対に黙り込んで、ただ頷いていた。


私の役割は何ですの?



その疑問だけが渦巻いて、居心地の悪い空気に席を立つ。




「…化粧室へ参りますわ」


小さな耳打ちを父様にして軽く会釈をしてから、私は逃げ出す様にその場を離れた。


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