嘘つき⑤【-sign-】
パーティ、恭平さんの口から出たその単語に眉を潜める。あまり恭平さんはそんな場所好む方ではないから。
「パーティ、ってお洒落に言ってみたけど、ただの気の知れた奴らばかりの集まりだから。気分転換だよ」
あたしの思考を見透かす様に、恭平さんはフッと笑った。
「…そうですわね」
恭平さんの口調に頬が緩む、何も父様の許可が必要な訳ではないもの。
いつだって、恭平さんはあたしのそんな閉鎖的な所を見つけてくれる。
「迎えに行くよ」
そう言って恭平さんはあたしの頭をフワリと撫でた。