本当に大好きだったんだよ。
割れたHEART

──あれは中3の秋の終り頃─
─放課後誰もいない視聴覚室に大新を呼び出した。



「‥ごめんっ!」
「何、いきなり‥」
「‥‥別れる‥。」
「はぁ!?待てよ、何だよ突然」
「‥‥‥ごめん」
「つか、何で?」
「‥‥‥‥‥」
「俺のこと嫌になった?」
「ううん。違う」
「じゃあ何でだよ!?」
「‥‥‥‥‥」
「‥‥俺、ダメなとこあったら直すし」
「‥‥‥‥‥」
「‥‥他に好きな人できたん?」
「ううん。違う」
「じゃあ何で!?何で別れんの!?理由言えよ」
理由を聞かれるのも無理ない。
「‥‥‥‥‥」
「‥黙ってたらわかんねーよ!!」
───ビクッ
少し尖った口調で言うからびっくりした。
「ごめん‥」
謝ることしかできないよ。
「俺ヤダ!お前と別れたくない」
私だって別れたくないよ。
「‥ごめん‥大新‥」
「俺お前いないと無理だし!!頼む!!考え直してくれよ、なぁ!?」

もういっぱい、いっぱい、考えたんだよ。いっぱいいっぱい考えて、出した答えがこれなんだ。

「‥ごめん‥本当にごめん‥‥」

私はそう言って視聴覚室を飛び出した。


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