紫御殿†Purple heart
「しかも、体調だって
 悪いくせに無理して
 馬鹿な奴だな
 
 傘なんて
 いつでもよかったんだ
 
 ほらっ、行こう
 一緒に教室まで付いて
 行ってやるから」

いつもの雰囲気と違う私を
貴方は
どう、思ったんだろう?

聞いてみたくなったけど
聞けない。

『傘が無いと困る』

その言葉で

彼女は、忘れた傘を

取りに戻って来た。
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