紫御殿†Purple heart
制服を着ていない姿で
校内を貴方と並んで歩く。
 
「シドウ先生、さようなら」

「さよなら」

擦れ違う生徒達は、皆
貴方と並んで歩く私の事を

生徒なのか

来客なのかと

疑問視しながら歩いて行く。

私は、なるべく
私だと、分からないように
前から歩いて来る生徒達から
顔を逸らし

声を出さずに

黙ったままで歩いた。

誰もいない階段を

三年の教室へと向かう。
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