紫御殿†Purple heart
『私
 アサヒと別れようと思うの』

少しだけ

ほんの少しだけ

想ってしまった。

別れればいいのに・・・

別れればいい。

立ち尽くす私の瞳は、抱きあう
二人を見つめていたけれど

本当は何も見えていなかった。

脳が、これ以上は耐え切れない
と判断したのか

目の前に、白い靄がかかる。

白い雪が舞う・・・

冷たい雪は

私の心を凍らせていく。

何とも言えない、悲しい気持ちに

どんどん占領されていく。
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