紫御殿†Purple heart
でも貴方の優しさは、ちゃんと
伝わっている。

「ありがとう、先生・・見て」

私が指差した先

今度は、車内が雨で
濡れている。

「ああ~、嘘だろう」

貴方は、私の腕を逃がさない
ように掴む。

「レイ、お前も一緒に来い
 こんな時間に、こんな所
 にいるって事は
 学校、サボって
 帰る気だったんだろう
 送ってってやるよ」

「えっ、いいよ
 電車で帰るから」

「そんな、ずぶ濡れの格好で
 電車に乗られちゃ他の客の
 迷惑だ
 ほらっ、いいから来い」

分かってよ・・・

車内に貴方と二人きりに
なんてなりたくない

私の気持ちを。
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