紫御殿†Purple heart
「あっ、レイの十八番じゃん」
 
「この曲、相当古いよね
 何年前の曲だっけ?」

「さあ、でも、いい曲だよね」

「レイって本当、昔の曲
 たくさん、知ってるよね?」

知ってるも何も、浅緋の部屋で
浅緋の車で、邦楽から洋楽まで
いろんな音が代わる代わる
流れていた。

浅緋の一番近くで聞いていた私

いつの頃からか、その曲全てが
お気に入りになっていた・・・

『アサヒ、小さい頃からずっと
 貴方だけが好き』

私は、マイクを置いて

その場に立ち上がった。
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